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子ども それも自立していく子ども いや もう少し微妙で、自立しようとしているが、周りのおとなからはまだまだ見えにくい「いつまでも 子どもだー」と思われている子ども。

心身ともに分かりやすく成長した時であるなら、周りも納得いくだろう。
しかし、おとなが考えるずーっと前から「もう一人前だ」と自分自身を誇らしく思い 一人鼻息あらい子どものことは見えにくい。 
そんな見落としてしまいそうな子どもの心をアーディゾーニはなんとみごとに表現しているのだろう。


きのうも今日もそしてあしたも 波止場で望遠鏡をのぞきながら、遠くの汽船をながめ、海をながめ
「いつか ぼくも〜」とふなのりにあこがれを抱き続けるチム。

ーーチムが、 ふなのりになりたいというと、おとうさんもおかあさんもわらいだして、「まだちいさす  ぎるよ。もっともっとおおきくなって、おとなにならなくちゃだめ」といいました。ですから、   チムは かなしくてなりませんでした。ーー

チムはおとうさんとおかあさんの態度 特にわらいだしたことと ちいさすぎる という言葉に ひどく
絶望します。家出をしようと思い海へ行きます。
このチムのさびしい後ろ姿。手を後ろに組んで体を丸め遠くの海をみつめています。
泣いているようにもみえます。

チムの誇りをズタズタにしたおとうさんとおかあさん。
でもチムには、ふなのりだったなかよしのボートのおじさんや、チムと航海の話をし、ちょっぴりラム酒をのませてくれるマクフェ船長がいます。
チムの願い、あこがれに共感し チムを海の仲間として認め、はなしのできるおとなです。

そんなチムが不法にのりこんだ大きな汽船。
ここでもチムは 仲間 として迎え入れられます。決して、まだ子どもだからと追いかえされないのです。

ーーせんちょうは、チムをみて、とてもおこりました。おまえは、ただのりだから、そのぶんだけ
  はたらかなければいかん、といいました。そこでチムは、バケツとブラシをもらって、かんぱんそ  うじを させられました。ーーー

チムは、船酔いでふらふらになりながら、つらいしごとをやりぬきます。
そして みんなに認められ ホーンパイプふき、うたい ふなのりの仲間になったのです。
(こぐま社からでている「チム完全復刻版」には、手を振り上げ大声で歌うチムと船乗りたちの
すばらしい絵が見開きで描かれています)

真夜中に船は岩にぶつかり、大波をかぶり、沈みゆく船の甲板でせんちょうはチムに言います。

ーー「やあ、ぼうず、こっちへこい。なくんじゃない。いさましくしろよ。わしたちは、うみの
  もくずときえるんじゃ。なみだなんかはやくにたたんぞ」ーー


チムに、最後まで船を守ることが、船乗りの仕事であり、誇りであると教える船長。そして それを成し遂げた2人。

アーディゾーニの視点は すごい  



『チムとゆうかんなせんちょうさん』 エドワード・アーディゾーニ さく・え
 せたていじ やく 福音館書店
     
  mititi